公文で知り合ったNさんとは、今でもおつき合いがある。私より6つ上のとても綺麗な人だ。彼女は私に、自分の短大時代の友人を紹介し、よく3人でランチをした。
Nさんの友達はマリアンに似た美人で、既婚だがいつでも若い恋人がいる。それも3ヶ月もすると別な恋人に変わっている。恋人が変わる度、Nさんからランチに誘われた。
Nさんはマリアンが大好きらしく、2人で会っている時もマリアンの話しかしない。3人のときは、主にマリアンの美しさを褒めたたえ、恋愛話を黙って聞いた。
時々2人は学生時代の思い出話を始め、私はかやの外だったが、なかなか興味深いのでじっと聞いていた。
マリアンはいつも恋人にプレゼントされたブランド品を自慢し、Nさんはうらやましがった。Nさんだって負けないくらい美人だと私は思ったが、マリアンは美人だから相手がいるけど、自分には絶対相手は見つからないとぼやいていた。たぶん踏み込む勇気がないので、人の話を聞いて自分を満足させていたのだと思う。私が高校時代の友人Kに憧れる気持ちと、きっと同じだ。
マリアンが恋人を見つけるのは、いつもナンパだった。ナンパで1度きりじゃなく、また会いたいと思わせるのは、やはりマリアンが魅力的だからなのだろう。しかもいつも相手は年下だった。だいたいナンパって20代のうちしかしないものね。
マリアンの夫はマリアンに恋人がいると知っていたが、何も言わないらしい。Nさんはそれも羨ましかったようだ。
なぜいつも私をランチに誘うのだろうと、最初のうちは不思議だった。が、暇なので誘われるとホイホイついて行く私。しかも美人にはめっぽう弱い。お前はオヤジかと言われるほど美人が大好きな私。
でもだんだん誘われる理由がわかって来た。
「コート何枚持っているの? 同じの着ているところ見た事ない。これカシミヤでしょう? 高いでしょう? バッグだって、いくつ持っているの? いつも違うの持っているよね。シャネル、ヴィトン、グッチ、プラダ、高いのばかり。いいなあ」
といつも言われたが、これはみんな母のお古だった。母は貢君に買ってもらったものや、自分で買ったものを、1回持つと私か妹か私達の友達にくれた。
だから私はシャネルだけでも30個以上のバッグを持っていた。(この前の引っ越しの時、シャネルは全部質屋に売ってしまったので、今会ったら「最近貧乏臭くなったね」と言われそう。)
彼女は私の夫が大学生だと知っていたので、普通に買えるわけはないと判断し、私におじさまのパトロンがいると思い込んでいたようだ。マリアンと2人、その話をどうにか聞き出そうと、毎回私を誘っていたのだった。しかし私には彼女達を喜ばせるような話は何もなかった。
「誰かとつきあっているんでしょう?」
と毎回聞くが、NOと言う以外ない。
「でもナンパはされるでしょう?若いんだし、超美人てほどでもないけど妙に色っぽいし」
(彼女は正直者。どうせ私は美人てほどじゃないさ!(ー"ー )むぅ。。)
「結婚してからはナンパされた事それほどないよ」
と、彼女達の期待を裏切り続けていたので、最近はあまり誘われなくなったけど。
Nさんの夫は大手メーカーの課長さんで、当時は確か35才くらいだったと思うけど、年収は1000万超えていた。その上彼女はやり手で公文の教室は大繁盛。(私は全然ダメだった)それでも子供が2人いて家のローンを支払いながらでは、ブランドバッグは買えないとぼやいた。
マリアンは恋人に買ってもらえるからいいよね、私は買えても1年に1個よ、とつまらなそうに言っていた。
私は思わず「あげようか」と言いそうになって慌てて自分をたしなめた。Nさんはたぶん男に買ってもらいたいだけで、私から貰っても嬉しくないだろうし、対等な友人関係が崩れてしまうからだ。
初めて知り合った時、彼女は32だった。6つ下の私には、美人だったがおばさんに見えた。でも彼女は自分は5つ以上若く見えると信じていた。よく「年をとらない妖怪」と言われると言っていた。世間の32からしたらきっと若いのだろう。でも、私にはちゃんと32に見えた。
今その時の彼女と同じくらいの年令になってみて、自分は6年前と変わっていないと思える。彼女もきっとこういう気持ちだったのだ。でも6つ若い人から見たら、それは幻想でしかなく、私は「おばさん」でしかないのだろう。
どんなに美人でも年には勝てない、まして「たいして美人でもない」私は、どうすればいいのだろう。
もう1人の年上の友達、4つ上のHさんはカルチャーで知り合った。
彼女は当時29才で、
「まわり皆、おばさんばっかでどうしようかと思った。若い人がいてよかった。仲良くしましょう」
と言って私に近付いて来た。
でも、私には彼女がまわりのおばさんと同じに見えた。
あなたはおばさんではないの?と思ってしまった。彼女が29と聞いてびっくりしたほどだ。たぶん子供がいる人は同じ年令でもずっと老けて見えるのだと思う。生活臭みたいなものがそう見せるのかもしれない。
彼女とも、まだ年に1度くらいは会っているが、29の時と比べて37の彼女を年をとったとは思わない。あまり変わらないような気もする。何でだろう。
前世の自分や今世での使命、ソウルメイト、毎日の感情バランス、恋愛心理を知ることでより楽しく生きる!