22の時だったかな、胃炎がまたひどくなって大学近くの国立医療センターに彼につきあってもらった。
その病院ははじめてだった。
先生はまだ20代かと思える若さで、大丈夫なのか心配だった。
診察室には一人で入り、彼は外で待っていた。
色々問診を受け、前から神経性胃炎だった事を告げ、お薬だけもらおうとすると、先生は、それはおかしいと言った。他の内蔵が悪くても、人間は痛いのが胃だと思ってしまうそうだ。
そして、
「じゃ、ちょっとお尻を見せて」
「………………は?」
「大丈夫、痛くないから。さあ、そこに横になって」
私は確かにお尻と聞こえたが、先生があまり爽やかに微笑むので、聞き違いかなとドキドキしながら、堅いベッドに横になった。
「壁の方向いて、横向きに寝て、力を抜いててね」
何されるんだろうと不安なまま、言われた通りにした。
すると先生いきなりスカートをまくる。
「きゃっ! な、な、な、なんですか?」
「ちょっとだけね、お尻を調べないと。大腸癌の可能性がある」
「いや、いいです、絶対大腸癌じゃないです」
「ダメですよ。ちゃんと調べないで手後れになったらどうするんですか。子供じゃないんだから怖がってないで」
急に今まで優しかった先生は、怖い人になった。
観念して横になっていると、
スカートまくってパンツ下げられ、(何でこんな目に……)
「足を曲げてまるくなって」
と言われた。
先生は何か軟膏みたいなものを私のお尻に塗った。
「ちょっとつめたいけど我慢してね、動かないでね」
そして手術用みたいなビニール手袋をはめて、いきなりお尻に指を。(大泣)
「ひゃっ!!!」
びっくりして飛び退くと
「動かないでって言ったでしょ、力抜いて」
と先生、怖い。
い、痛いよ。痛くしないって言ったじゃん。(T∇T)
先生はだいぶ長い間触診していたように、私には思えた。
やっと終わって、先生が薬を拭き取って、
「はい、もういいですよ」
優しい顔に戻っていた。
私は半泣きで急いでベッドから降りた。
「大腸癌は心配ないようです。来週胃カメラの予約をしましょう。今三ヶ月先までいっぱいだから、時間外だけど来週朝の7時に来てやってあげますよ」
と親切ぶりを見せる。
私はもうショックでどうでもよく「おまかせします」と言って、トボトボ病室を出た。
早速彼に話したが、反応は、
「大腸癌じゃなくてよかった〜。よかったね」(笑顔)
そりゃそうだけどさ、あんなんで本当に大腸癌がわかるのか!?
処女のうちからお尻を犯されてしまったっていうのに、そのボンクラな反応はなんなんだよ。(怒)
酷い医者だとか言ってよね。
彼が私のお供をはじめて3年目の春だった。
っていうか彼は真面目に、つきあってる意識なく、ただの鞄持ちだと自覚しているのかもしれないと思った。
それから2年後に、結婚しましたが…。